子どもの夏休みが始まると、パートで働いている人の生活は一気に変わります。給食がなくなってお昼ごはんが増え、家に子どもがいる時間が長くなり、それでもシフトは今までどおり入っている。「今年もなんとなく乗り切ったけれど、来年も同じは無理かもしれない」と感じている人は多いのではないでしょうか。
夏休みの両立は、気合いでどうにかするものではなく、段取りでほとんど決まります。この記事では、いま真っ最中の人がすぐ使える対処と、来年に向けて仕事選びを見直すときの視点を分けて整理します。
まず、しんどさの中身を分けて考える
「夏休みがつらい」とひとことで言っても、中身は人によって違います。まずどこが自分の負担なのかを分けてみると、打てる手が見えてきます。
- 時間の問題: 子どもを置いて出る時間帯そのものが不安、または帰宅時間に間に合わない
- お昼ごはんの問題: 毎日3食の準備が積み重なって消耗する
- 休みの問題: 学校行事・帰省・子どもの体調不良で、シフトを休みたい日が増える
- 気持ちの問題: 職場に迷惑をかけている気がして、休みを言い出しにくい
この中で、実は一番あとから効いてくるのが最後の「言い出しにくさ」です。早めに伝えれば調整できたことが、直前になるほど「急な欠勤」に変わってしまいます。
1. 休みの相談は「早さ」がすべて
シフト制の職場では、多くの場合、次の期間のシフトを組む締め切りがあります。休みたい日が分かっているなら、その締め切りより前に伝えるのが基本です。当たり前のようですが、これだけで職場の受け取り方はかなり変わります。
伝え方は、シンプルなほうが通りやすいです。
- 理由は長く説明しない(「子どもの夏休みで」で十分伝わります)
- 休みたい日を先に言う(「8月13日から15日をお休みしたいです」)
- 代わりに入れる日があるなら、そこもセットで伝える(「その分、8月20日以降は入れます」)
「休ませてください」だけより、「この日は難しいですが、この日は入れます」と両方言えるほうが、職場としても組みやすくなります。無理に多く入る必要はありませんが、動かせる部分を先に示すのは有効です。
注意: 子どもの体調不良など、事前に読めない休みもあります。これは誰にでも起きることなので、「予定できる休み」と「突然の休み」は分けて考えて大丈夫です。事前に読める分をきちんと出しておくと、突然のときに相談しやすくなります。
2. 預け先は「全部の日」を埋めようとしない
夏休みの預け先としてよく挙がるのは、放課後児童クラブ(学童保育)、自治体や公民館の夏休み向けの教室、民間の習い事や短期教室、祖父母や親族、地域のファミリー・サポート・センターなどです。
自治体によって制度の名前も、申し込みの時期も、利用できる条件も違います。お住まいの市区町村の公式サイトか窓口で確認するのが確実です。特に学童は、年度の初めに申し込みが締め切られていることも、夏休みだけの利用を受け付けていることもあります。
そのうえで大事なのは、40日間ぜんぶを埋めようとしないことです。全部を一つの方法でまかなおうとすると、たいてい無理が出ます。
- 週の前半は学童、後半は在宅の日にする
- お盆の1週間だけ祖父母にお願いし、それ以外は自分で回す
- 子どもが高学年なら、留守番できる日と、そうでない日を分ける
こうして「日によってやり方が違う」状態にしておくほうが、ひとつが崩れても全体が崩れずにすみます。
3. シフトは「減らす」だけでなく「動かす」
夏休み中は勤務を減らすしかない、と考えがちですが、時間帯をずらすだけで解決することもあります。
- 早朝に寄せる: 子どもが起きる前の時間に働き、昼には家にいる
- 夕方に寄せる: 家族が帰宅してから出勤する
- 日数を減らして1日を長くする: 週4日×3時間を、週2日×6時間にまとめる
合計の勤務時間が同じなら、収入への影響を抑えつつ生活を組み替えられます。まずは今の職場で「時間帯だけ変えられないか」を相談してみるのが、いちばん手間の少ない方法です。
扶養の範囲を意識して働いている場合は、時間帯を変えても年間の収入見込みは変わらないか、念のため確認しておくと安心です。詳しくは扶養内で働くときの収入の確認方法もあわせてどうぞ。
4. お昼ごはんは「品数」より「回転」で考える
地味に効いてくるのが昼食です。ここは手を抜く工夫を用意しておくほど、夏休み全体が楽になります。
- 2〜3パターンを決めて回す(毎日違うものを考えない)
- 子どもが自分で用意できるものを1つ決めておく
- 週に何回かは市販品や冷凍食品を前提に組み込む
「今日は何にしよう」と毎日考えること自体が負担なので、決めておくだけで軽くなります。
5. 来年に向けて、仕事選びの条件を1つ足す
今年どうしても無理があったなら、それは仕事の条件と生活が合っていないサインかもしれません。次に仕事を探すときは、条件に1つ足してみてください。
- 長期休みへの理解があるか: 面接で「学校の長期休みの時期は、シフトの相談はできますか」と聞く
- 同じ立場の人がいるか: 子育て中のスタッフが実際に働いているか
- シフトの提出サイクル: 1か月ごとか、2週間ごとか。短いほうが調整しやすい
- 勤務時間の柔軟さ: 「1日3時間から」など、短い枠が用意されているか
面接でこうしたことを聞くと不利になるのでは、と心配になるかもしれませんが、聞き方を工夫すれば大丈夫です。「働けません」ではなく「長く続けたいので確認させてください」という前置きにすると、前向きな質問として伝わります。むしろ、この質問に露骨に嫌な顔をする職場は、入ってから苦労する可能性があります。
短い時間の枠から探したい人は、1日3時間から働けるパートの探し方も参考にしてみてください。
まとめ
- 夏休みの両立は気合いではなく段取りで決まる
- 休みの相談は、シフトの締め切りより前に、休む日と入れる日をセットで伝える
- 預け先は40日間ぜんぶを埋めようとせず、日によって方法を変える。制度は自治体の公式情報で確認する
- 勤務は減らすだけでなく、時間帯をずらす・まとめるという選択肢もある
- 昼食は2〜3パターンを決めて回す
- 今年つらかったなら、次の仕事選びに「長期休みの相談ができるか」を条件として足す
夏休みは毎年やってきます。今年の「しんどかったところ」をメモしておくだけでも、来年の自分がずいぶん助かります。